
Q1ESS Technology(以下ESS社)の簡単なご紹介をお願いします。
ESS 社は 1984 年に設立、本社は米国のシリコンバレーにあります。私たちは高性能オーディオ向けとビデオプロセッサー製品を市場に提供しています。2008 年に弊社がリリースした画期的な SABRE オーディオ DAC は高性能オーディオのハードルを引き上げ、業界のリファレンス基準となりました。
ハイファイ愛好家向けモバイルや家電、コンシューマ、車載、プロ用オーディオなどの市場において、ESS 社はオーディオ DAC のリーディング・サプライヤーです。弊社の製品は、スマートフォンやポータブルプレイヤー、ヘッドフォンアンプ、CD/BD プレイヤー、レシーバー、プリアンプ、USB DAC、デジタル・オーディオ・ワークステーション、オディオ・ミキサー、ゲーム機などと、幅広い製品に採用されています。
Q2ES9018S をはじめとする ESS 製品の多くは、オーディオ機器メーカーだけでなくハイファイ愛好家にも好評を得ています。競合と比較して、ESS の製品のどこが優れていると思いますか?
ES9018S を含む SABRE DAC は、革新的な設計方法と多くの特許取得済み回路により、とてもユニークな製品に仕上がっています。
競合の典型的な DAC 製品は、スケーラブルで制御可能な結果を得ることが難しい場合、アナログ処理技術を使っています。弊社は全 DAC 製品において、最も一般的なデジタルプロセス技術を使用しています。言い替えるならば、アナログをデジタル的に設計しています。弊社のエンジニアは、最新のデジタルプロセスがもたらすスケーラビリティを生かして、革新的なチップデザインができます。
すべての SABRE DAC 製品に、特許取得済みの「Hyperstream」「Time Domain Jitter Eliminator」「Revolver」を採用。広いサウンドステージと最高水準の透明感を実現し、コンサート会場でライブ演奏を聞いているような再現性の高い音質を提供します。最高の音質に加え、SABRE DAC製品は最高の特性も実現します。例えば、ES9018S は、135dB DNR、-120dB THD+Nと他のチップを遙かに凌ぎます。
Q3SABRE DAC シリーズのロードマップを可能な範囲で教えてください。
音質と特性においても、ハードルを上げていく予定です。今後、数ヶ月のうちに、モバイルとハイファイ愛好家向けフラッグシップ製品のアップグレードを含む DAC 新製品を予定しています。これらの製品で、DNR と THD を含む多くの特性が向上される予定です。さらに、機能面では、日本のお客様のリクエストを実装し、弊社の製品をより使いやすくしていきます。
Q4SABRE9018AQ2M をはじめとする新製品のご紹介をお願いします。
3つの新製品をリリースしました。SABRE9018AQ2M、SABRE9602K と SABRE9018Q2C です。
「SABRE9018AQ2M」はステレオ DAC シリーズの新製品です。当製品は ES9018K2M の進化版であり、129dB DNR、-120dB THD+N と低消費電力を含む、前例のない高性能レベルを実現し、スマホやタブレット、ポータブルミュージックプレーヤー、USB DAC、ヘッドフォンなどのポータブル製品に最適な仕様です。
「SABRE9602K」は、ヘッドフォン・アンプ・シリーズの新製品です。当製品は 122dB SNR と -123dB THD の高性能で、出力も向上し、32Ω のヘッドフォンで 49mW の出力ができます。市場に出回っている既存のヘッドフォンアンプは、SABRE DAC には及ばず、出力のボトルネックになっていました。SABRE9602K は、SABRE DAC 「ES9018K2M」、「SABRE9018AQ2M」の性能を損なうことなく高音質をヘッドフォンで実現します。
「SABRE9018Q2C」は、5mm×5mm QFN パッケージに 32 bit ステレオ DAC, ヘッドフォンアンプと出力スイッチを統合したシステム·オン·チップ (SoC) です。121dB SNR と -115dB THD+N の特性レベルを提供し、32Ω のヘッドフォンで 49mW の出力ができます。小型と高集積化により、省スペースと高性能を必須条件とするアプリケーションに最適です。
上記3製品は、すべて量産中であり、購入可能です。
Q5ラインナップを拡大していますが、今後、ESS製品にとって成長を見込んでいるマーケットは?
SABRE シリーズ製品でターゲットにしているマーケットは、ハイファイ愛好家向けオーディオ機器市場とコンシューマ向けモバイルデバイス市場の2つです。ここ数年、デジタル・ミュージックが爆発的に成長し、ハイレゾ音源 が促進されて、音楽をダウンロードするもしくはストリーミングするようなミュージック・ウェブサイトも増えています。一方、消費者はベストなオーディオ性能と音質を求めています。
この成長は、ハイファイ愛好家向けオーディオ機器市場とコンシューマ向けモバイルデバイス市場の両方で現れると見込んでいます。
Q6これらのマーケットをどのようなアプローチでターゲットにしていきますか?
現在、ESS 社は音響機器とモバイルデバイスに注力しています。音響機器において、今まで通りお客様であるメーカーと協力し、業界最高水準の製品を提供していきます。モバイルデバイスやスマホ、ポータブルミュージックプレーヤー、ヘッドフォンなども、同様にメーカーと協力して、この市場の製品の音声レベルを互いに向上できるよう貢献していきたいです。
Q7DAC製品以外の今後の展望はいかがでしょうか?
弊社は、ソースから再生までのオーディオ・パイプライン全体において高音質を提供する製品を計画しています。
最高の音質を実現するには、レコーディング・スタジオでのベストミュージックソースが必要です。最高のレコーディングを実現できるよう、ADC ラインアップを拡大する予定です。最高の再生機器も必要です。ベストなサウンドを可能な限り低い歪みで再生するには、スピーカーやヘッドフォンに至るすべてのボトルネックを取り除く必要があります。そのため、DAC 以外に、クロックやパワー制御、IV コンバータ、ヘッドフォンアンプ、パワー・アンプなどリリースする予定です。
これらの製品開発にあたり、SABRE DAC と同じ開発理念に基づいて、レコーディング・スタジオから家庭音響機器やモバイル機器まで最高のオーディオ品質と性能を目指します。
Q8グローバル電子とのパートナーシップに、今後期待すること教えてください。
グローバル電子は ESS ファミリーの一員で、弊社の日本総代理店として 10 年以上の実績があります。迅速な対応で、最高のサービスをお客様に提供していると思います。さらに、テクニカル・サポートも、徹底しており、細部まで行き届いています。私たちの製品を深く理解してくれていると思います。
日本のお客様に対するグローバル電子のサポートにとても感謝しています。
Q9最後に日本のお客様へのメッセージをお願いします。
ESS 社の SABRE DAC 製品を採用していただいている日本のお客様に感謝の意を表します。
SABRE DAC を実装した日本の音響機器は人気が高く、最高のサウンドを誇る製品ばかり。中には、日本の VGP 賞や HiVi グランプリ賞などを受賞している音響製品もあります。これは ESS の誇りでもあり、より高いレベルのオーディオを提供する製品に挑む原動力になります。これからも、さらに高いレベルのソリューションを開発し、お客様に提供していきます。ありがとうございました。